伊豆半島一周自転車の旅 #10:感動のフィナーレ

我慢がまんガマン

戸田を出てから3時間ちょいの8時45分沼津駅に到着した。

「着いたでーっ!沼津!」

時間的にも昨日の遅れはある程度取り戻すことができた。僕の旅のスタートは午前8時と決まっている。だからこの時点で予定からの遅れは約1時間に縮まった事になる。早く起きて正解だった。それにしても沼津ともなるとビジネスマンが多くなる。今日は9月25日の火曜日であり、普通のサラリーマンはいつも通りの通勤真っ最中になる。僕も本来であれば同じようにスーツを身にまとい会社に出勤しているはずなので少しだけ皆さんに申し訳ない感があり恐縮した。

「あぁ…それにしても残念だ…」

当初の予定では朝早く沼津港に行って朝御飯がてら海鮮丼を食べようと思っ ていた。でも時間的に余裕がないから

「がまんっ!がまんっ!」

そして沼津駅前でUNICOの写真をパチリ撮って沼津を後する。沼津がいち通過地点となってしまった(涙)そして沼津から国道1号線にのって東京方面に向かうと、間もなく三島に到着した。

「あぁ会社の人が三島には美味しい『鰻や』があるって教えてくれたんだよなぁ…」

でも…ここでも時間が無いが為に…

「我慢…我慢…」

『ティハール』のように待つ事は出来なかった…

「くそぉ~これじゃ単に走っているだけになってしまう…」

これまでも基本的には走る事が中心だったのに、今回の海鮮丼とうな重 を食べられ無かったのは、本当に残念でちょっとショックだった。この食べ物の恨みはらさでおくべきか…と言いながらも僕はもうすぐ『箱根の峠越え』に挑もうとしていた…

「絶対に家まで自力で帰るぞ!」

俺を超えてゆけ

「あれ?意外と行けんじゃん!」

僕は箱根旧街道を自転車に乗って進んでいた。この箱根峠を越える事がこの旅「最後の試練」そう考えていた。でも…意外や意外っ!

「行ける行けどぅーっ!」

もちろん『シャーシャー』いいペースで進んでる訳じゃないけど、『えっちらおっち ら』『ゼェゼェ』言いながら、でも自力で登って行けるんです。

「もしかして…俺…伊豆半島の山道で強くなってんじゃねーか!?どうしよう…もし も足着かないで峠越えを果たしたら…」

そんな思いがチラリ出て来たりもしましたが、世の中そんなに甘くはなく、途中からは足を付いてしまいました。

「強くなりたければ、俺を越えて行けっ!」

ってか?箱根峠がそんな事を僕に言っているような感じがした(僕は意外とロマンチスト)。そしてそれからは自転車に乗ったり、降りて歩いたりの繰り返しだった。途中ママチャリ青年2人組みを前方に発見すると、30才のオッサンの意地とば かりに足を着かずに彼らを抜き去り、カーブになって後ろが見えなくなったところ で足を着くと言う荒業に出たりもした。

「どうだっ!青年っ!おいさんもやるもんだろーっ!」

っと何とも色んな意味で涙ぐましいものがあった。そして三島を出てから約2時間半、遂に箱根峠を制覇っ!

「やったどーーっ!」

約15kmの道のりを2時間半。僕なりにはそこそこのペースだったでしょうか…僕は箱根峠制覇の証拠写真をパチリパチリと数枚撮り箱根峠制覇の余韻に浸りながら 、愛車UNICOを眺めていた…

「絶対に家まで自力で帰るぞ!」

箱根駅伝復路

「いやぁーいい天気になったなぁー」

箱根峠越えを果たした僕は先に進み芦ノ湖にいた。時間的にもお昼だったので、 湖畔にあったレストランで『天ぷらうどん』を食べ、芦ノ湖周辺をぶらぶら写真をパチリパチリしていた。

すると箱根駅伝ミュージアムたるものを発見っ!中に入ろうかなぁと思ったのですが、まさかの有料だったのでスグに断念…

「おしっ!じゃあ箱根駅伝復路ルートで帰るどーっ!」

って事で箱根駅伝スタート。僕の記憶では箱根駅伝第6区(復路スタート)は山下りのスペシャリストなんて呼 ばれていたと思っていたのに、まさかの登りスタートで、登りに登って仕舞には 『国道1号最高地点874m』なんて表示が見えてきた…
「チキショー騙された…」
なんても思いましたが、
「あっでも…ここが最高地点ってことは…」
「………」
「ひょえーーーーっ!」
ここからはヒタすら『下り』が続いた…
「速えぇーーっ!」
しかも道はうねうねでブレーキ多用…
「ブレーキこわれんなよーっ!」
なんて思いながらとにかく坂道を下る。ここら辺は『箱根ユネッサン』や温泉街があって平日と言えども観光客が多い、その 中を自転車で颯爽と下っていく…
「みんなこっち見てるーっ!」
実際に本当に多くの人に見られました(笑)。そして都心に向かうにつれ交通量も多くなり、途中からは完全に自動車に混じっての 山下りとなった。時々反対車線を走る自転車を
見ると『うわっお気の毒…』と思ってしまうぐらいの傾 斜。三島側から登る方が全然楽にみえた…そんな中お互いの存在に気付くと決まって『会釈』で挨拶。
…がんばれよ…
なんとも素晴らしいスポーツマンシップ…僕は下りだけど…そしてあっという間に小田原・茅ヶ崎・藤沢を越えこの伊豆半島一周1人旅もウイニ ングランへと向かっていた…

伊豆半島一周完全制覇

「東京都インっ!」

国道1号線を箱根駅伝復路に沿って走り続け20時40分に東京23区内(世田谷区)へ戻って来た。もうここまで来ると『横浜で迷いに迷った』とか『国道246号はやっぱり最悪だ』とかそんな事はどうでもよくなってくる。

「あと少しだっ!頑張れっ!」

って『前を見ながら走る』ようになっていた。そして23区内に入ってからは初日の道(環状8号線)を逆になぞりながら北上する。時計を見てみれば21時を過ぎていて戸田を出てから16時間もぶっ通しで自転車をこぎ続けていた。

「でもあと少し」

そして世田谷区から杉並区、杉並区から豊島区、豊島区から板橋区そして北区と徐々に自宅へと近づいていく…もう少しだ…もうこの頃はあまり疲労を感じる事もなくなっていた。そして遂に…

「見えた…」

自宅近くの夜景(マンション群の明かり)が見えて来た…。

「俺やったっ!俺すげえっ!」

こう思ったのは前回の『房総半島一周』のウイニングランの時で、あの時もこれと同じ夜景だった…でも今回は…

「俺…本当に伊豆半島一周……」
「………」

言葉が出て来なかった。正確には言葉よりも先に涙が出て来てしまっていた。もちろん大泣きではないし、涙が頬を伝わる事も無かったのですが…

「うわぁ…俺泣いてる…」

涙を流しながら、そして拭きながらのウイニングラン…あと少し…あと少し…そして最後の交差点を渡り、23時10分遂に自宅到着。

終わった

僕はマンション入口付近に自転車を立て掛け、証拠写真をパチリと一枚。その後は地べたに座り込みひたすら地面をみていた。

「マジ疲れた」

もう伊豆半島は自転車じゃ行かねぇぞ…なんて最初は一通りの文句が出ました…でもその後には…でも伊豆半島一周を完全制覇したぞ!

3回目の『男のロマン』をやってやったっ!…そんな達成感がどんどん湧いて来ました。

やっぱいいな自転車…
そして…次の男のロマンは『三浦半島一周』だよな…これも絶対に制覇してやる…こうして僕の『伊豆半島一周1人旅』は終わりました。

「あぁ明日会社行きたくねぇなぁ…」

おわり

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